会社を退職すると、基本的に確定申告が
必要になりますが、とりわけ住民税との
関係が気になるという方も多いようです。
確かに、退職後の住民税が
高く感じたという声は多いですから、
貯金が少ない方にとっては死活問題に
なりかねません。
支払い方法や金額など、少しでも事前に
調べて知っておきたいですよね。
実際にFPである筆者は、過去に
退職者が確定申告と住民税の関係が
分からず困っている方とも会いました。
そこで今回は、退職時の
確定申告と住民税について
お伝えします。
あなたの退職に、お役立て下さいませ。
住民税の確定申告!普通徴収と特別徴収の違いは?
そもそも住民税というのは、前年の
所得(年収)に対する税金を、今年の
6月~翌5月にかけて支払います。
そして、会社員時代は
「特別徴収」という納税方法で、
毎月払いで支払ってきました。
しかし退職するなら毎月の特別徴収が
できないため一定の清算が必要になります。
その清算方法の一つが
「普通徴収に切り替える」
という選択肢です。
普通徴収に切り替えると、次の5月までに
支払わなければならない住民税の残額を、
最大4回の分割払いで支払うことに
なります。
一回当たりの支払額が増えるため、
多くの人は高くなったと感じる訳です。
その一方、
「退職時に残額を特別徴収で一括清算する」
という選択肢もあります。
この場合は、最後の給料で残額をすべて
清算されるので、以後は住民税に
悩まなくていい反面、最後の手取り額は
減るわけです。
ちなみに、退職時に転職先が
決まっているなら、特別徴収を
続けることも可能になります。
なお、違いをもっと知りたい方は
以下の記事も参考にどうぞ。
どれを選ぶかはあなた次第です。
住民税の確定申告の期限は?遅れるとどうなるの?
住民税の確定申告は、
所得税の確定申告と一緒に行います。
確定申告書の住民税に関する項目を
記入する訳です。
このため、住民税の確定申告期限も、
所得税と同じく2月16日~3月15日までの間と
なっています。
そして、この確定申告を元に、
4~5月頃に納付書が送られる流れです。
ちなみに確定申告をしなかったり、期限に
遅れたりすると、役所は正確な収入や
状況が分かりませんから、
多めに住民税を請求されることもあります。
かまわないのなら確定申告しないのも
退職時の一つの手段ですが、やはり
した方が無難といえるでしょうね。
なお、住民税の支払いの方が遅れると、
ちょっと怖いかもしれません。
少々なら役所も問題視しないのですが、
そのうち役所から支払い連絡がきて、
それすら無視すると最悪、財産を
差し押さえられる可能性もあります。
少なくとも、無視だけは控えたほうが
無難です。
なお、会社代行が気になる方は
以下の記事も参考にどうぞ。
辞めた後は何もしてくれませんよ。
扶養と退職!確定申告の手続きの方法は?
退職時や確定申告においては、扶養が
気になる方も多いですが、ひとまず
手続き方法としては、条件を確認しつつ
書き込むだけです。
ちなみに扶養控除で勘違いされがちな条件は
「納税者と生計を一にしていること」ですが
これは同居要件ではないので
覚えておきましょう。
また中には、退職をきっかけに家族の扶養に
入ったという方もいるものですが、
その場合でも確定申告したほうが無難です。
それに、住民税は前年の所得に対して
納税しなければならないお金ですから、
仮に扶養に入ったとしても、
支払わなくていい訳ではありません。
なお、退職時に手続きする国民年金や
国民健康保険には扶養という考え方が
ありませんから、合わせて注意しましょう。
扶養に必要な退職証明書って?
家族の扶養に入るためには
「退職証明書」が必要になります。
そもそも扶養に入るためには
「収入要件」がありますが、それを
退職証明書で証明する必要がある訳です。
会社を退職して収入がありません、
だから扶養に入りたい…
そんな証明のために使います。
ちなみに退職証明書は、
当人の事情によって以下のような書類が
代わりに必要です。
- 非課税証明書
- 離職票
- 扶養理由書
- 雇用保険喪失確認通知書
- 雇用保険受給資格者証
- 源泉徴収票
- 廃業届 など
いずれの書類も、本人の収入のなさを
証明するために必要になります。
どれが必要になるかは様々なので、
自分に必要な書類をしっかり確認して
準備しましょう。
なお、必要書類をもっと知りたい方は
以下の記事も参考にどうぞ。
ざっくりとでも知っておきましょう。
扶養は退職のタイミングで手当の内容が変わるって本当?
会社が独自に支給する扶養手当が
退職のタイミングで内容が変わるか否かは、
会社によるとしか言えません。
強いて言えば、退職者が会社と
トラブルになって辞めるような場合は、
退職金や最後の給料とともに扶養手当も
貰えない可能性も出てきます。
もちろん、基本的には違法とも言える
行為ですが、実際には泣き寝入りせざるを
えない事もあるのが実情です。
それに、退職後も会社とは一定の関係性が
残ることもありますから、やはり退職は
できるかぎり円満退社を
目指したいところといえます。
まとめ
気になる方は動画もどうぞ。
今回の記事では、
退職時の確定申告と住民税について
複数の角度でお伝えしました。
ひとまず、退職時は残る住民税について
どう支払うかを考えると良いでしょう。
一番は転職先を確保した上での退職ですが
あとは手持ちの貯金額から考えましょう。