退職金の税金上の控除は勤続年数で
変わりますが、最近では転職を
繰り返すようなケースもあり、その場合は
どうなるのか気になりますよね。
そもそも退職金をもらう権利自体、
一定の勤続年数が必要なことも多いので
時には退職金がもらえない事もありますから
勤続年数を無視するのは危険です。
実際にFPである筆者は、退職金の
控除に使える勤続年数について
転職の影響を知らずに損をした方から
相談を受けたこともありましたね。
そこで今回は、退職金の控除にかかる
勤続年数や転職の影響について
お伝えします。
あなたの退職に、お役立て下さいませ。
退職金の控除は勤続年数で変わるって本当?
退職金の控除は、確かに
勤続年数によって変わります。
長く勤めるほどに控除は増えていき、
勤続年数が20年を超えるとさらに
加速的に増える仕組みです。
一昔前なら、一社に入社したら定年まで
勤め上げることが一般的だったので、
それに合った仕組みといえます。
また一方の退職金自体も、長く勤めるほどに
金額が増えていく仕組みのことが多いです。
このため、退職金を働く理由の一つに
するのならば、やはり一社を長く勤めた方が
得といえるのかもしれません。
その方が出世もしやすいことが多いため、
尚更でしょうか。
ただ一方で、最近では退職金制度がない、
あるいは取りやめた会社も増えてきました。
また今では、従業員が個人的かつ独自に
退職金を用意する制度も登場しています。
このため会社の退職金制度も大切な一方で、
自分でも何らかの備えをしていく姿勢が
必要かもしれません。
退職金の控除は転職にどう影響するの?
退職金の控除が、特に転職(活動)に
影響することはありません。
また相応の退職金をもらったからといって、
それが転職に何らかの影響が
出てくることもありません。
このため、ひとまず退職金に関することは
転職活動と切り離して考えることが
大切です。
ただ一方で、相応の退職金をもらい、
転職先でそれ以上の退職金をもらいたいと
考えるなら影響が出てくるといえます。
あるいは多額の退職金をもらった結果、
強い安心感を得て転職活動をサボりがちに
なったりすると、やはり転職しにくくなる
可能性も出てくるでしょう。
そういった間接的な影響は
あるかもしれませんが、ひとまず
直接的には何も関係ありませんから、
どうぞご安心下さいませ。
退職金の控除には期限があるって本当?
退職金の控除には、特に
有効期限のようなものはありません。
退職金をもらった年なら退職所得控除で
計算することができ、その年以降は
使うことができません。
そればかりか退職の翌年以降は、
もらう退職金すら退職金としては
取り扱われないので注意が必要です。
そういう意味で、仮に期限があるとするなら
「退職金をもらう12月31日まで」
と言えるでしょうか。
いずれにしても、退職金が退職金として
扱われ、退職所得控除が使えるうちに
使うことをお勧めします。
なお、住民税が気になる方は
以下の記事も参考にどうぞ。
色々勉強が必要ですね。
退職金の控除と生命保険の関係は?
退職金の控除と生命保険は、
特に何も関係がありません。
強いて言えば、会社サイドが退職金の準備に
生命保険を活用することはありますが、
それが退職金をもらう従業員には
特に影響ありません。
ちなみに、退職金が死亡退職金であるなら
相続には影響が出てきます。
少なくとも、退職金の控除というのは
税金上の話なので、生命保険と特に
関係はありません。
中には勘違いしてしまう方も
いるかもしれませんが、少しだけ
注意しておきましょう。
退職金の控除は4年以内かどうかで変わる?
退職金の控除というのは、4年以内に
退職所得控除を使って退職金を
もらっている場合は、別の計算をします。
具体的には、以下のような計算式で
計算した金額を差し引いた残額が
退職所得控除となる訳です。
- 前の退職手当等の収入金額800万円以下…収入金額÷40万円
- 前の退職手当等の収入金額800万円超……(収入金額-800万円)÷70万円+20
ただし、これは退職金の元になる
勤続において重複期間がある場合です。
そしてそんな時は、簡単にいえば
重複期間については差し引いて
計算することになります。
退職金の確定申告の書き方は?
そもそもですが、退職金を貰ったとしても
確定申告をする必要はありません。
基本的に退職金にかかる税金は、
もらった時点で源泉徴収された残額と
なっていますからね。
ただ、退職時期によっては所得税の
還付を受けられる事もあるので、
そういう時は確定申告が必要です。
なお、退職金の確定申告をする時には、
確定申告書Bのものを使います。
また退職金については、
第二表の「所得の内訳」欄に、
源泉徴収税額とともに記入しましょう。
あとは、通常の確定申告と同様に書けば、
特に問題ありません。
まとめ
気になる方は動画もどうぞ。
今回の記事では、
退職金の控除と勤続年数について
長いほど控除も大きくなると伝えました。
最近では頻繁な転職も一般的ですが
貰えるなら退職金は貰った方が有利です。
控除も最大限に活用しながら
少しでも有利に退職金を貰いましょう。