昨今は一つの会社を勤め上げるよりも、
途中で退職・転職する方も多いのですが、
当人はそこまで何度も経験しないため、
特に厚生年金などの手続きが
気になる方も多いです。
この手のものは基本的には
「会社に言われるがままでOK」とも
言えますが、不正や不備の可能性も
ありますから、知っておきたい方も
多いでしょう。
実際にFPである筆者は、
退職時の厚生年金の手続きについて
相談された事もありますよ。
そこで今回は、
退職時の厚生年金の手続きについて
お伝えします。
あなたの退職に、お役立て下さいませ。
退職の厚生年金受給手続き!何をすればいいの?
退職した時の厚生年金の手続きは、
従業員の立場からすると、大きく
「直後の再就職先の有無」で変わります。
退職後すぐに次の職場が決まっているなら、
元の職場から年金手帳を返してもらい、
そのまま次の職場に提出するだけです。
退職前から返却されている事もあります。
また次の職場が決まっていないなら、
次の職場が決まるまでは国民年金に
切り替える必要があるので、
役所での手続きが必要です。
年金手帳を役所に提出、あるいは記載の
「基礎年金番号」をメモしたうえで
役所に行きましょう。
退職してもらうのは厚生年金か一時金かのどちらか
そもそもですが、厚生年金は
退職しただけで貰えるものではなく、
最低限「定年退職」をするほどの
年齢でなければ受給することはできません。
ただし、最近では会社が厚生年金基金に
加入しており、そこが解散・脱退した時には
一時金を受け取ることもあります。
ただし、そうやって一時金を
受け取ってしまうと課税されてしまい、
しかも金額的に使い切ってしまう事も
多いですから、できれば他の手段を
取った方が無難です。
なお、定年退職時の失業保険が気になる方は
以下の記事も参考にどうぞ。
貰えるものは全て貰いましょう。
退職における厚生年金保険料って?
退職における厚生年金保険料は、
退職日の翌日に厚生年金の被保険者資格を
失うことになり、その日が属する月の
前月分まで納める必要があります。
このため、月の途中で退職した場合は、
その前月分まで納めることになる訳です。
ただし、こういったルールだからこそ
月末に辞めた場合は、退職した日の翌日は
すでに次の月の1日なので、その1日が
属する月の前月分、つまり退職した月の
保険料も支払うことになります。
退職の厚生年金は継続の申請が出来る?
退職時の厚生年金については、
健康保険とは違って継続制度はありません。
このため、辞めた時には
次の会社の厚生年金に加入するか、
そうでなければ(一時的に)国民年金に
切り替える必要が出てきます。
確かに間違いやすい違いともいえますから、
注意しましょう。
少し余談ですが、健康保険には確かに
継続制度があるのですが、それは
あくまで最長2年の時限措置となります。
年金と健康保険は切り離して考え、
それぞれについて適した手続きを
しておきましょう。
退職したら厚生年金はいつまでにもらえるの?
先ほども少し触れましたが、
厚生年金は退職しただけでは貰えず、
せめて定年退職するほどの年齢に
なってから貰えるお金になります。
具体的には、今の受給年齢は
65歳からとなっており、一部の方には
「特別支給の老齢厚生年金」が
60代前半から支給される仕組みです。
強いて言えば、60歳を超えたら
「繰り上げ受給」を申請することも
可能なのですが、その場合は
最大で30%程度受給額が減り、しかも
その額がずっと続くことになるので、
注意が必要といえます。
退職したら厚生年金はどうなる?
退職したとしても、
厚生年金は特に何も変わりません。
勤めていた時の加入記録は残り続け、
再就職を果たしたら、また
再開される事になるといえます。
強いて言えば、勤め先で
確定拠出年金に加入していた時には、
相応の手続きが必要になるので
注意しましょう。
なお、平成29年8月の制度改正で、
今は10年以上の保険料納付済期間が
必要ですから、たとえ国民年金に
変えたとしても、10年以上は確実に
支払うようにしましょう。
退職したら厚生年金は返却するべきって本当?
退職した時に返却するべきなのは
厚生年金ではなく、健康保険の保険証です。
これも、意外と勘違いしてしまう
ポイントなのかもしれません。
逆に年金手帳については、会社が紛失防止に
預かっている事もありますが、本来は
個人が持つものですから注意しましょう。
ちなみに健康保険証の返却は、
不正使用の防止の意味合いが強いです。
仮に持ち続けて使ってしまったら
不正使用ですから、しっかり
切り替え手続きをしつつ、古いものは
返しましょう。
まとめ
気になる方は動画もどうぞ。
今回の記事では、
退職時の厚生年金について
様々な角度でお伝えしました。
最近では未加入という方も多いですが
年金は今でも大事な老後対策です。
将来的にしっかり受け取れるように
退職時の手続きは確実にしましょう。