退職すると、会社から源泉徴収票を
もらうことになりますが、イマイチ書き方が
難しくて見方・読み方が
分からないという方がいます。
確かに、そもそもこういった書類には
専門用語が並んでいることも多いため、
知識のない人には何が何やら分からないのも
自然ですね。
とはいえ、少しは読めるように
なりたい方もいるでしょう。
実際にFPである筆者は、退職者から
源泉徴収票の書き方や読み方を
聞かれた事もありました。
そこで今回は、退職時の
源泉徴収票の書き方と読み方について
お伝えします。
あなたの退職に、お役立て下さいませ。
退職の源泉徴収票の書き方&見方!8つの項目と記入例を解説
そもそもですが、退職時にもらう
源泉徴収票というのは、
書き方が定められています。
このため、今後の人生で何回かもらう事に
なったとしても基本的には数字が違う
程度です。
よって、読み方さえ覚えておけば、
何度目の源泉徴収票にも対応が
可能といえます。
次の章から、そんな源泉徴収票の
書き方を元にした読み方について
お伝えします。
1.支払を受ける者
まずは「支払を受ける者」です。
これはつまり、
退職者のことになります。
その方の住所または居所と名前と
フリガナですね。
ちなみに、あと「受給者番号」または
「個人番号(マイナンバー)」が
書かれる事もありますが、退職者が
もらうものには記載がありません。
退職者は源泉徴収票をもらったら、
まずはこの部分について間違いがないか
確認すると良いでしょう。
もし間違っていたら、速やかに
訂正を願い出るようにしましょう。
2.支払者
次に「支払者」です。
これはつまり会社、
勤め先のことになります。
先ほどの「支払いを受ける者」のように、
住所や所在地と名前(名称)、そして
個人番号または法人番号です。
ちなみに支払者の欄には、合わせて
電話番号も記載するのがルールになります。
ひとまず退職者からすると、特に
気にしなくていい欄といえますが、
会社名くらいは
見ておいてもいいかもしれませんね。
3.受給者生年月日
そして「受給者生年月日」です。
これは文字通り、
退職者の生年月日になります。
明治・大正・昭和・平成の選択とともに
年月日が記載されているはずです。
ちなみに、この項目は給与所得の
源泉徴収票には記載がありますが、
退職所得の源泉徴収票には記載が
ありません。
4.退職年月日
さらに「退職年月日」です。
文字通り、この日程が退職者にとっての
正式な「退職日」ということになります。
そして、この日程を元に様々な
手続きをしていくことになりますから、
少し注意が必要です。
特に、社会保険と失業給付の
手続きについて重要になります。
とはいえ、この日程は退職者の認識と
違うようなことは稀でしょうから、
そういう意味では確認しておく程度で
十分かもしれません。
5.社会保険料等の金額
そして「社会保険料等の金額」です。
これは文字通り、今年いままでに
いくらの社会保険料を支払ったのか、
その総額になります。
退職者からすると少しピンとこない欄かも
しれませんが、社会保険料というのは
支払額が全額「社会保険料控除」に
なるので大事な欄です。
年内に再就職を果たせればともかく、
転職できなかった時にはこの数字を使って
確定申告することになります。
ひとまず退職者は、数字くらい
しっかり確認しておきましょう。
6.源泉徴収税額
さらに「源泉徴収税額」です。
源泉徴収税額とは、かんたんにいえば
「今までに源泉徴収した所得税の総額」
になります。
そして、最終的に年末調整や確定申告で
今年の所得税額を計算して、この
源泉徴収税額を下回っている場合は、
差額を還付してもらえる訳です。
ちなみにこの源泉徴収税額は、
年内に再就職を果たせた場合は
次の会社でも数字を引き継いで
使うことになります。
7.支払金額
そして「支払金額」です。
支払い金額とは、かんたんにいえば
「年収」のことで、給料と賞与の
今年いままで受け取った総額になります。
稀に「こんなに貰っていない」と
感じる方もいますが、手取り額とは
違いますので注意して確認しましょう。
ちなみに、その右の欄には
「給与所得控除後の金額」
「所得控除の額の合計額」
もあります。
それぞれ、税金計算をする時に
大切になりますから、
一応見ておきましょう。
8.種別
最後は「種別」です。
給料や賞与などが一般的ですが、他にも
棒給や歳費などということもあります。
どういう意図で支払ったのかという
給与等の種別が書いてあるわけです。
ただ、どういう意図でも基本的には税金上
「給与所得」ですから、普通の雇用契約なら
特に気にしなくていいでしょう。
退職の源泉徴収票!確定申告には用紙が二枚必要?
確定申告において、源泉徴収票が
二枚必要になることはありません。
強いて言えば、2ヶ所から源泉徴収票を
もらったような場合には、
確定申告が必要になります。
またそもそも、源泉徴収票は2枚作製され、
1枚は退職者に、もう1枚は税務署に
送られるのが基本です。
いずれにしても、確定申告で必要になる
源泉徴収票は基本的に1枚で大丈夫ですから
安心しましょう。
なお、特殊事情が気になる方は
以下の記事も参考にどうぞ。
普通もらうのは1枚ですけどね。
まとめ
気になる方は動画もどうぞ。
今回の記事では、
退職時の源泉徴収票の書き方・読み方を
項目別にお伝えしました。
普段は意識しなくて大丈夫ですが
少しは読めた方が安心かもしれません。
堅苦しく思える源泉徴収票ですが
ぜひ一度は読んでみましょう。
なお、再発行が気になる方は
以下の記事も参考にどうぞ。
でも、なるべく無くさないように。