会社を退職する時には、雇用保険の
被保険者証をもらうことが多いのですが、
初めて転職するような方だと
「何これ？」ということも多いです。
何となく名前からして大事そうな書類とは
分かるでしょうが、その用途や意味が
分からないと困惑することもあるでしょうね。
実際にFPであるにも関わらず、筆者は過去に
退職時の雇用保険被保険者証を
相談されたこともあるのが実情です。
そこで今回は、退職時にもらう
雇用保険被保険者証について様々な角度で
お伝えします。
あなたの退職に、お役立て下さいませ。
退職したらもらえる雇用保険被保険者証って？
そもそもですが、厳密にいえば
雇用保険被保険者証とは
「雇用保険に加入した時にもらえる保険証」
です。
それを退職するまで会社が紛失防止に
預かっており、退職時に
返却してもらえるものになります。
次の章から、そんな
雇用保険被保険者証を様々に
お伝えします。
1.手続きの方法は？
雇用保険への加入手続きについては、
従業員サイドは特にすることはありません。
ざっくりいえば正社員として
採用されたなら、あとは
会社が勝手にやってくれます。
ただし、例えば短期のパートタイマーなど、
雇用保険加入の要件を満たさない場合には、
雇用保険の対象外になるので
加入手続きもされません。
2.返却の方法は？
返却の方法は特に定められていませんが、
一般的には手渡しで返却されます。
中には離職票を送るときに合わせて
返却することも稀にあるのが実情です。
一応、無くした時にはハローワークで
再発行をお願いすることもできますが、
大事な書類ですから、
なるべく紛失は控えましょう。
3.いつもらえる？
原則的に、雇用保険の被保険者証は
「退職時に」もらえます。
そして、厳密にいえば
常に会社に保管されているので、
気になる方は現物を見せてもらうのも
アリかもしれません。
ちなみに給料明細に「雇用保険」の欄があり
毎月保険料を差し引かれているなら、
ちゃんと加入している状態といえます。
4.使い方は？
雇用保険被保険者証は、
あなたが再就職先で再度、
雇用保険に加入するために使います。
そして必要になるのは、記載されている
「被保険者番号」です。
この被保険者番号は、
再就職先でも同じものを使います。
正しく、マイナンバーのように
あなた個人に割り振られた番号と
いえるでしょう。
5.必要なときはどんなとき？
雇用保険被保険者証が必要になるのは
再度、雇用保険に入る時ですから、
すなわち「再就職する時」です。
このため、再就職しないのなら
特に使うこともありません。
退職後にフリーランスになったり
独立したりする方が該当するでしょうか。
あるいはひとまず専業主婦になる方なども
当てはまるでしょうね。
6.メリットは？
雇用保険が活きてくるのは「失業給付」を
もらう時ですが、これをもらうには
一定の要件があり、大きいところでは
「被保険者期間」が挙げられます。
このため、再就職先でも同じ被保険者番号を
使うことで、その被保険者期間を
「通算できる」点が最大のメリットと
いえるでしょう。
7.離職票の関係は？
先ほどの通り、雇用保険被保険者証は
「再就職時」に必要になります。
一方の離職票は失業給付の申請に
使いますから「失業時（退職時）」に
必要です。
このため、どちらも大切な書類ですが
「必要な時期」が違います。
不慣れだと同じように思えるでしょうが、
ひとまずどちらも大切に保管しましょう。
なお、離職票が気になる方は
以下の記事もどうぞ。
こちらもしっかり覚えておきましょう。
8.発行場所はどこ？
雇用保険被保険者証の発行場所は
「ハローワーク」です。
要件を満たす社員が入社したら、
会社はハローワークで発行の手続きを
しなければなりません。
ちなみに発行のために、
会社はハローワークへ
「雇用保険被保険者資格取得届」を
提出します。
発行されたかどうかは、給与明細の
「雇用保険料」で確認しましょう。
9.送られてこないのはなんで？
雇用保険被保険者証は、
手続き後に会社に送られます。
そして、原則は本人に渡されるのですが、
そのまま退職時まで会社で保管することが
多いのが実情です。
なぜなら過去、退職するまでに
無くしてしまう方が多かったのが
理由になります。
従業員としても紛失防止になりますし、
退職までは不要ですから丁度よいでしょう。
10.紛失したらどうすればいい？
雇用保険被保険者証を紛失した時には、
ハローワークで再発行してもらえます。
「もらった記憶がない」なら、先に
会社に探してもらうのもアリです。
ただ、この保険証は大切な書類ですから、
紛失も一つの「人間性を見られる」ことに
繋がりかねないので、
注意が必要かもしれません…。
まとめ
気になる方は動画もどうぞ。
今回の記事では、
雇用保険被保険者証について
様々な角度でお伝えしました。
退職までは特に使わない書類ですが
辞めた後は大事な書類です。
再就職するその時まで
大切に保管しておきましょう。
なお、扶養の手続きが気になる方は
以下の記事もどうぞ。
退職は色んな手続きがありますね。
